Jock Campbell
第一次世界大戦中、イギリス陸軍の名誉ある砲兵中隊で軍人としてのキャリアをスタートさせた〈John Charles “Jock” Campbell〉。彼の名は第二次世界大戦での活躍で広く知られるようになりました。1940年、イタリア軍を相手に独自の「飛行部隊」を率いて目覚ましい戦果を挙げ、この部隊はのちに「ジョック・コラム」と称されるように。
その後の1941年には、クルセーダー作戦における決断力に富んだ指揮と前線での勇猛果敢な活躍が認められ、ヴィクトリア十字勲章を授与されました。
Hugh Elles
1917年、〈Hugh Elles〉准将は機関銃部隊の重装備部門から編成されたイギリス陸軍戦車部隊の初代指揮官に任命されました。彼は戦車の有用性を証明するため、フランスのカンブレー近郊で戦車、騎兵、歩兵による大規模な連携攻撃を計画します。
そして1917年11月20日、カンブレーの戦いが勃発。Ellesは自らデザインした戦車部隊の旗を掲げ、部隊の中央付近から指揮を執り、見事ドイツ軍の防衛線を突破してみせました。
Leo Geyr von Schweppenburg
〈Leo Geyr von Schweppenburg〉は1904年にドイツ陸軍に入隊し、第一次世界大戦、第二次世界大戦の両方に従軍した軍人です。彼は着実に昇進を重ね、1937年から1939年には、391輌の車輌を擁する第3装甲師団を指揮。これは1939年のポーランド侵攻において最大規模の師団でした。
その後も東ヨーロッパで数々の功績を挙げ、特に1941年のハインツ・グデーリアンによるソ連侵攻では目覚ましい活躍を見せました。その後フランスに異動となり、1943年には新たに編成された西部装甲部隊（Panzer Group West）の指揮を任されました。
John Capper
〈John Edward Capper〉少将は、イギリス陸軍戦車部隊の初代総監を務め、戦争における装甲車輌の活用を推し進めた人物です。同部隊では、Hugh EllesもCapperの指揮下で作戦司令官を務めました。
Capperは戦車部隊で活躍する以前から、軍事技術者として高い評価を得ていました。1915年にはイギリス陸軍の主任技術者に任命され、1907年にはSamuel Franklin Codyとともにイギリス軍の飛行船の初飛行を成功させています。
Ernest Swinton
イギリス陸軍の職業軍人であると同時に、軍事学者、理論家、技術者でもあった〈Ernest Swinton〉は、装甲車輌の基本設計に大きく貢献した人物として知られています。Swintonの車輌設計の着想は、友人のHugh Marriottから1914年に届いた手紙に端を発します。その手紙では、履帯式トラクターは農業だけでなく軍事用途にも使えるのではないかと提案されていました。新型装甲車輌の開発が難航していた1915年、Swintonは司令官のJohn Frenchに新たな作業計画書を提出。
同年12月の会議では、Swintonがこの新型車輌を「戦車（tank）」と名付けた記録も残っています。
LeRoy Eltinge
1917年、〈LeRoy Eltinge〉中佐はJohn Pershing将軍の指揮下で、アメリカ外征軍の一部門として戦車部隊または“戦闘戦車部隊”を設立する任務を任されました。
イギリスとフランスの車輌を研究し、軍事利用を推奨しただけでなく、当時大尉だったGeorge S. Patton, Jr.に戦車部隊への参加を勧めるなど、アメリカ軍事史に大きな影響を与えました。
Samuel D. Rockenbach
1917年にアメリカ戦車部隊が結成されると、1890年代から軍人としての長いキャリアを持ち、米西戦争にも従軍した〈Samuel D. Rockenbach〉准将が指揮官に任命されました。RockenbachはPershing将軍に直訴する形で、戦闘における戦車の使用を熱心に主張しました。1918年には、装甲車輌を使用した戦闘に対する理解を深めるため、部下たちに戦車の運用に関する体験記を書くよう命じました。
彼の戦車への情熱は第一次世界大戦後も冷めることはなく、戦車部隊とCamp Meade戦車学校の指揮官として、その普及に尽力しました。
Jean Touzet du Vigier
1920年代～1930年代にフランスの軍事訓練学校の教官を務めていた〈Jean Touzet du Vigier〉は、フランス軍の機械化を熱心に提唱した人物です。第二次世界大戦では、当初はドイツが支援するフランスのヴィシー政権に仕えていましたが、後に自由フランス軍に参加。最終的には第1機甲師団を指揮するまでに至りました。
戦争終結間近には、連合軍によるドイツ進攻の際、ライン川に最初に到達した部隊の一つを指揮したと言われています。
Bruce Magruder
1904年に二等兵としてアメリカ陸軍に入隊し、軍人としてのキャリアをスタートさせた〈Bruce Magruder〉は、2つの世界大戦を含む数多くの任務を経験し、少将にまで昇進しました。
ドイツ車輌に対抗するため、1940年に第1機甲師団が結成されると、その指揮を任されました。この師団は現在も活動しており、Magruderが名付けた「Old Ironsides」という愛称を今も使用しています。これは、有名な軍艦である「USS Constitution」にちなんで名付けられたものです。
Donald Marshall Call
〈Donald M. Call〉伍長は、1918年に米軍戦車部隊に入隊。George S. Patton, Jr.中佐（当時）が率いる344大隊に配属されました。同年9月、フランスのヴァレンヌ近郊で敵軍と交戦中、Callの戦車は砲撃を受けました。Call自身はすぐに脱出に成功したものの、激しい砲火の中、現場に戻って戦車に残された仲間を救出し、安全な場所まで運びました。
この勇敢で献身的な行動が認められ、Callは戦車兵として初めて議会名誉勲章を授与されました。この勲章は、第一次世界大戦終結後、John Pershing将軍からCallに贈られました。
